2012/05/07 迷子のとんペー見つかりました!

先日当ブログでも呼びかけさせていただきました迷子のとんペーですが、
連休最終日に無事保護することができました!
ご協力くださいました皆様、どうもありがとうございました。
 
ご存知でいてくださっている方も多いかもしれませんが、とんぺーは震災後生まれの「福島被災犬」です。
やっと1歳になったあたりです。
お母さん犬と兄弟3匹だけで、数か月を生き抜いてきたのです。
お母さん犬(ししかか)は、偶然なのか選んだのかはわかりませんが、
町の商店を子育ての場所として選び、段ボールを食い破りカップラーメンやお菓子を食べて食いつないでいました。
代表の菊池によって保護され、KDPに来た訳ですが、たぶん私たちが彼らの知る最初の「人間」だったであろうと思います。
お母さん犬は人に飼われていたと思われます。とても人懐っこいかわいい子です。
子供たちはなかなか慣れませんでしたが、とんぺーは兄弟の中で一番賢く、かわいい子でした。それでも、知らない人にはひどく怯えてしまうので、里親さん募集を始めたものの、すぐに良いご縁とは出会えずにいました。
数ヶ月前、現在の里親さんであるKさんご家族からご連絡をいただきました。
Kさんご家族は猫たちと一緒に暮らしており、その子たちも捨て猫。
中学生の息子さんが、ぜひ保護犬、被災犬をとおっしゃってくださいました。
とんぺーの状態として、ご希望していただけるのはうれしいけれど慣れるのには数ヶ月かかってしまうかもしれない、という話をさせていただきました。
Kさんご家族はそれでもぜひとおっしゃってくださり、お見合いを進めることになりました。
人見知りをするとんぺーの為に、ご家族は何度も会いにきてくださいました。
事前にご自宅にもお邪魔しました。
譲渡してその日の夜中、ご家族が寝静まったのを見計らって、リビングの戸を開け二階へ上り、固定の網戸を破り逃げてしまったのです。
翌日雨の中兄弟犬と探しに行きましたが、雨で声が届かないのか探している場所が違うのか、見つけることはできませんでした。
急いでチラシを作り、ご近所に撒き、ひたすら目撃情報を頼りに探しました。
早いうちに遠くへ行ってしまう可能性も考えましたが、そう遠くへは行かず、行ったり来たりしているのが目撃情報からわかりました。
ですが、とんぺーは知らない人では怖がって逃げてしまったり隠れてしまったりするので、会えないことには捕まえられませんでした。
そして4日目、晴れ。その日はお母さん犬と探しに行きました。
Kさんのおうちはとても環境の良い場所で、山や畑に囲まれた場所です。
裏手にある山は、ハイキングコースにもなっています。
その日の朝目撃された場所から、山へ入って行くことにしました。
お母さん犬はどんどん歩きだし、「ただお散歩を楽しんでいるだけなんじゃないんだろうか…?」とも思うほどでしたが、とりあえず好きに歩かせてみようと思いました。
その後、ロープの張ってある立ち入り禁止場所に入り、名前を呼びながら、ケータイの電波も怪しい道のない山の中へ。
ぐんぐん進んでいったのが、ぴたりと止まりました。匂いを見失ったかな?と思われました。その場でも名前を呼びました。数分止まったままだったので、あきらめて道へ出ようと思った時、さらに山の中から、とんぺーが現れたのです!
名前を呼ぶとすぐに駆け寄ってきました。
お母さん犬とわたしに、「会いたかった!」とでも言うように激しくじゃれつき、とてもうれしそうにしていました。

ぐるぐるでわかりにくいですが、再会したときの写真です。
Kさんに見つかったことを伝え、二匹と下山。

とんぺーははしゃいで私やお母さん犬のまわりを行ったり来たりしながら帰りました。
 
Kさんが先にご自宅に到着し、私たちの帰りを待っていてくれました。
玄関が、大変なことになっていました。
数日間、お天気も悪い中探していてくださったので、レインコートや長靴がフル活用され、ろくに休まず探し続けてくださっていたのが伝わりました。
その日も、朝4時に起きて探していてくださったのです。
もともと来たばかりのとんぺーとゆっくり過ごすためにと思っていてくださったGWが、前日とんぺー捜索になってしまったのでした。
Kさん宅は逃走を防ぐためさらに注意し慎重に接してくださっています。
 
里親さんに譲渡する時、とても悩みます。
人を怖がったりする子ですと、いつが「いいタイミング」なのか。と。
皆様にはもちろん事前に何度も会ってもらっています。
ですが、本当の意味でご家族や家に慣れる為には、数カ月が必要なのです。
結局、やってみるしかないのです。
いろいろなことに注意し、譲渡したのちさらに対策を練っていくしかないのです。
犬を飼うためのHowto本は山ほどありますが、
一匹一匹に対するHowtoは、実際に迎えてからではないとわからない部分のほうが大きいと思います。
今までに何匹飼っても、それまでの知識が新しい犬に通用するとは限らないのです。
里親さんにはいつも、「大なり小なり予想外のことが起きると思う」と伝えます。
もちろん、逃走はとても危険です。事故にあってしまう可能性もあります。
とんぺーが怪我もなく無事でよかった、と、それしか言いようがありません。
どんなに準備をしていても、初めから完璧な家族はいないと思います。
「そういう事」をひとつづつ乗り越えて、「家族」になっていくのだと思います。
 
Kさん、探し続けてくださってどうもありがとうございました。
とんぺーをどうぞよろしくお願いいたします。
 
捜索にご協力くださいました皆様、
心から感謝しております。
この場を借りてお礼させていただきます。
どうもありがとうございました!
 

4 Responses to 2012/05/07 迷子のとんペー見つかりました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA